1. 犯人は「CO2」です

基準値を叩き込んでおきましょう。外気は約400ppm。ビル管理法等の「空気がきれい」な基準は1,000ppm以下。眠気が出るのが1,500ppm。

では、締め切った6畳の寝室に大人2人が寝た場合の朝方の濃度は? 答えは2,500ppm〜4,500ppmです。

🧠 脳の血管がパンパンに
この濃度では脳の血管が拡張し、神経を圧迫して頭痛(片頭痛のような痛み)を引き起こします。

SASでもないのに朝の頭痛が治らないなら、脳が一晩中サバイバルしている証拠です。

2. 2025年の衝撃的なデータ

2025年9月、早稲田大学等が衝撃的な研究結果(ASHRAE 1837-RP)を発表しました。「現行の建築基準法(2時間に1回換気)では、睡眠の質を守るには全く足りない」という事実です。

寝室の換気量を現行の2倍にしないと、深睡眠(徐波睡眠)が削られ、睡眠効率が低下します。

法律通りの家でも、ドアを閉めれば「熟睡できない環境」が完成してしまうのです。

3. 高気密住宅という名の「窒息箱」

「うちは24時間換気があるから大丈夫」と思っている人ほど危険です。

高気密・高断熱住宅は巨大な魔法瓶。熱を逃がさない性能は、汚れた空気を閉じ込める性能でもあります。

マンションの給気口(ガラリ)が閉じられ、目張りされている様子
「寒いから」と閉じられた給気口。これがCO2タンク化のスイッチ。

多くの人は冬場、冷気が入ってくる給気口(ガラリ)を閉じてしまいます。

出口(換気扇)だけ回して入り口を塞ぐ。これで空気が入れ替わるはずがありません。

4. 失敗しないCO2モニターの選び方

「とりあえず安いもの」は最悪の選択です。安価な「半導体式」は揮発成分に反応するだけで、CO2を測っていません。

加湿器の蒸気やアルコール消毒にすら反応します。

信頼できるNDIR方式のCO2センサー(SwitchBotとNetatmo)が並ぶ様子
NDIR方式一択。SwitchBotやNetatmoなど、信頼できる「目」を手に入れよう。

選ぶべきは「NDIR(非分散型赤外線吸収法)」方式です。

SwitchBotの温湿度計(CO2対応版)やNetatmoなどが代表格。ここをケチると全ての対策が無駄になります。

5. 「CO2 vs 室温 vs 湿度」のトリレンマ

ここには解決困難な三すくみ(トリレンマ)が存在します。

🪟

CO2低減

窓を開ける必要がある。
(外気が入る)

🥶

室温維持

窓を開ければ寒くなる。
(暖房効率低下)

🌵

湿度維持

窓を開ければ乾燥する。
(加湿が追いつかない)

「窓を少し開けたらCO2は下がったが、室温12度で風邪をひいた」。SNSにはそんな悲鳴が溢れています。

6. 解決策は「課金」か「工夫」か

このトリレンマを突破するルートは2つです。

課金ルート:熱交換換気扇(ロスナイ)

三菱電機「ロスナイ」等の熱交換形換気機器を導入する。

排気の熱を回収して給気に移すため、窓を開けずに換気ができ、室温も下がらない最強のソリューションです。

工夫ルート:サーキュレーター強制排気

工事不可の賃貸勢向け。寝室のドアを数センチ開け、サーキュレーターを「廊下(部屋の外)に向けて」回す。

汚れた空気を強制的に追い出すことで、給気口やドアの隙間から新鮮な空気を引き込みます。

よくある質問 (FAQ)

Q. 窓を少し開けるだけでいいのですか?

A. 風の通り道を作ってください。

1箇所開けるだけでは空気は入れ替わりにくいです。対角線上の2箇所を開けるか、1箇所ならサーキュレーターを窓の外に向けて回し、強制的に排気することで新しい空気を引き込みやすくなります。

Q. CO2センサーは必須ですか?

A. 「見えない毒」は測るしかありません。

人間の感覚はCO2濃度に鈍感で、気づいた時にはすでに頭痛や眠気が起きています。数千円で買える機種でもいいので、一度測定してみると寝室の「窒息度合い」に驚くはずです。

Q. 空気清浄機ではCO2は減らないのですか?

A. 減りません。

空気清浄機は「粒子(ホコリや花粉)」を取るもので、「ガス(CO2)」は素通りします。CO2を減らすには、物理的に外気と入れ替える「換気」しか方法はありません。

7. 酸欠対策は「究極の睡眠投資」

枕に何万円もかける前に、「空気の入れ替え」を。どれほど高級な寝具でも、酸欠状態では脳は休まりません。

8. 構造図解・スペック表

CO2酸欠の構造メカニズム

graph TD %%{init: {'theme': 'base', 'themeVariables': { 'primaryColor': '#e1f5fe', 'edgeColor': '#01579b', 'fontSize': '16px' }}}%% classDef official fill:#e1f5fe,stroke:#01579b,stroke-width:2px; classDef user fill:#e8f5e9,stroke:#1b5e20,stroke-width:2px; classDef trend fill:#f3e5f5,stroke:#4a148c,stroke-width:2px; classDef warning fill:#ffebee,stroke:#b71c1c,stroke-width:2px; MainProblem(翌朝の頭痛・寝不足) RootCause[原因: 寝室の『酸欠』 CO2濃度過多]:::warning MainProblem --- RootCause subgraph Mechanism [発生メカニズムと背景] direction TB HighSpecHouse[高気密住宅の普及]:::trend UserBehavior[寒さ対策で給気口を閉鎖]:::user CO2Tank[寝室のCO2タンク化
一晩で4,500ppm超も]:::warning HighSpecHouse --> UserBehavior UserBehavior --> CO2Tank CO2Tank -->|脳血管拡張・神経圧迫| RootCause end subgraph Solution [対策とジレンマ] direction TB Measure[Step1: 正確な計測]:::official NDIR[推奨: NDIR方式センサー
SwitchBot / Netatmo]:::official Trilemma{冬場のトリレンマ}:::user Cold[寒さ]:::user Dry[乾燥]:::user Noise[騒音]:::user BestSol[解決策A: 熱交換換気扇
ロスナイ等]:::official HackSol[解決策B: サーキュレーター
強制排気ハック]:::user Measure --> NDIR NDIR -->|可視化後の壁| Trilemma Trilemma --- Cold & Dry & Noise Trilemma --> BestSol Trilemma --> HackSol end RootCause --> Measure

CO2濃度と対策スペック

項目 仕様・数値データ 備考
推奨センサー方式 NDIR(非分散型赤外線吸収法) 安価な半導体式は誤作動多数のためNG
基準値 (良好) 400 〜 1,000 ppm 建築物衛生法などの基準
警戒値 (頭痛) 2,500 〜 3,000 ppm超 起床時の頭痛、思考力低下の懸念ライン
推奨換気量 現行建築基準法の2倍 早稲田大・ASHRAE研究 (2025)
推奨デバイス SwitchBot CO2センサー
Netatmo ウェザーステーション
ログ取得と自動化連携が可能なもの